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日 時 |
白樺派覚書
「一房の葡萄」は1950年代終わり、子ども向けの読み物の本に当たり前に収録されていた。
1920年代から30年代に書かれた子ども向けの読み物の多くには半世紀前の戦争を行きぬいた人々の少し貴族的な雰囲気が染み付いていたように感じられた。
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2012/05/18 07:26 |
有明の月
其の1
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2012/03/16 05:59 |
黒いランドセル
休みをとって今日が日限の無粋な家事をした。
風もなく明るい。
午後はいつになくのんびりした気分になり、テレビを見た。
さる作家の娘が出ている。
子供時代の話が続く。
家で仕事をする父の傘のもと母も子供たちもおびえて暮らしている。
ある日、帰宅すると父が呼ぶ。
志賀直哉先生から入学祝が届いた。
大きな箱を開くと黒いランドセルがはいっている。
その色にはっとしながら娘はしかし礼を言う。
そのように躾けられている。
入学すると女の子は皆赤いランドセルである。
その中で、黒いラン...
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2012/03/15 20:36 |
三又の立ち往生
物事道理に従って心を尽くして行えば、面倒なことは何もないはずだ
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2012/03/12 04:01 |
そのきさらきのもちつきのころ
ねかはくははなのもとにて
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2012/03/03 06:37 |
雨の音に驚いて
東のほうは春の雪だという。夜半、ずっと雨が出窓のトタン屋根をたたいているようだった。
昼近くには明るい陽射が外気を暖めていた。
退めていく同僚が片づけをしていた。
部屋の入り口に立って話をする。
鶴見俊輔のこと、生物学者のこと。
別の同僚と話をする。
若い人々のこと。
最後にもう一部屋訪ねる。
二人で話をしているところに加わり長話。
この職場ではこれから一月が年の区切り。
川田順、堤清二、それぞれに身を退く決断というものがあったろう。
退めていく同僚にしても。
テレビドラ...
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2012/03/01 02:28 |
静かに春がやってくる
春がそこまで来ていると思えば、寒さもいとおしい。
気持ち踊らぬ原稿を仕上げる。
ただ静かに。
昼をめがけて外出。
なじみの店で昼食。それに商店街で小物を選ぶ。
用途は首からつるして眼鏡入れ。
どこも、店主は忙しそうゆえ、そっと戻る。
ブログにあった書家のことを聞きたかったが。
午後は放送大学の講義を聞き流しながら原稿のつづき。
女性と子どもの貧困化、メディアビオトープ、心理学150年の歴史。
心理学史は若い人がひたすら原稿を読み上げている。
テキストもあるのだろう。
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2012/02/19 13:31 |
完璧な一日の睡眠
明日がある、明日があるのさ・・・
と穏やかに寝むことにした。
温めの湯につかり少し暖めた部屋で、枕とマットレスを整えて。
ときにはラベンダーを炊いて。
10時半にはお寝すみなさい。
さて、午前2時ごろにでも起きて仕事が出来るとよいのだけれど。
結局のところ5時のカンフーの先生に起こされても、ぐだぐだしている。
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2012/02/15 17:12 |
完璧な一日の仕事
そうはいかぬのが浮世の暮らし。
出だしの良い日は、朝4時ごろに起き出し、身支度を済ませて5時からカンフーの先生について体操をする。
CMの合間に片付け。
6時まで番組に付き合い、それから1時間ほどをかけて食事と身支度。
8時ごろに職場に到着。
午前中に一日の仕事を逃げ切り。
午後はくだくだと話、あるいは調整、打ち合わせなどなど。
静かになる夕方からもうひと仕事。
夕食に触らぬ程度に辞去。
夕食を途中で済ませて夜8時ごろねぐらにたどり着く。
片付けをしながら寝む準備。
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2012/02/15 17:00 |
完璧な一日の食事
朝。
野菜ジュースを飲む。
オリーブオイルを入れて。
1000mlをポットではかり、薬缶に移して湯を沸かす。
紅茶をいれる。
三重県の街道筋にある茶園直営の喫茶店のいれかた。
モーレツというのだそうだ。
3倍分くらいの茶葉を入れたポットに熱湯を注ぐ。1回目はさっとだし、2回目もすぐにそのま大きな別のポットに注ぎ込む。3回目にじっくり出して出来上がり。とにかく鮮烈な味でトラックの運転手が「目が覚める」と飲んでいく。この方法で、手際よく作った紅茶を保温壜に入れて午前中に飲みきる。時にバ...
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2012/02/12 21:40 |
カーネーション・カーネーション
三姉妹、壮絶なけんかが展開される。
テレビドラマの話である。
姉と妹。
親に買い与えられた持ち物をめぐり、親の愛をはかる。
嫉妬心。
岸和田商店街の開けっぴろげで荒っぽい気風の中。
身近な諍いの中で、自分と人との関係を刻み込んでいく。
嫉妬を乗り越えた自分のあり方を。
谷崎は関西の地で姉妹をどのように描いたのであったか。
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2012/02/12 09:50 |
仕事の合間にお昼ご飯
月曜日、いつもの仕事に区切りがついた。自宅で仕事先と電話やE-mailを使って連絡をとりながら、抱えているもうひとつの仕事のうえをのろのろと歩く。朝はパンとオリーブオイル、それに野菜ジュース。夜はそのまま仕事の予定だから、昼ごはんは普通に食べよう。結局、車を使って、なじみの店へ。WEB上で確認すると最近は奥さんがブログをやっている。今日は牡蠣フライかな。シフォンケーキも頼もう。
ここは亭主と生意気盛りのころの知り合い。その後しばらく姿を見ないうちにみめかたちもそして心栄えも美しい夫人と料理...
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2012/02/07 09:38 |
Il y avait un jardin
しばらく引き出しの中に眠っていた小さな箱を開いてみると壊れている。
ノートに繋いで復元。それには長い時間がかかった。
以前にはラジオと時計と歩数計として使っていなかったことを思い出し、使い方を調べて年初めに到来したアルバム3枚セットをまとめて移す。なんだ、簡単。これにたどり着くのに1年かかった。
シャッフルにして聞く。なじみの曲とはじめて聞くものと。
湿度と重量 あるいはEmotions。
40年前、友人はこのMoustaki と陽水のライブに通っていた。
今、世界は違った湿度と色彩...
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2012/01/28 12:40 |
weekend ou fin de la semaine
待ち望んだ土曜日。
朝、夢のなかで体操をする。
紅茶を入れる。昨日補給した蜂蜜生姜から黒糖とシークワーサーとを合わせたものを別につくり、それを紅茶に入れる。1000ミリリットルの生姜紅茶。ゆるゆると身体の掃除。そして窓を開け放つ。着替えをする。部屋の掃除。
食料品の買い物は昨夕あらかた終えている。
牛乳2本、今朝、ヨーグルトに入れて発酵を待つ。
鮭の西京漬け、鮪の切り身、練り物、昨晩、冷蔵庫を整理して入れた。
豆腐、卵6個も。
セロリ、人参、バナナ、玉ねぎ、それに買い置きの馬鈴薯。...
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2012/01/23 19:01 |
失せものいづ
移動ばかりしていて落ち着かぬ。
年初早々、ただ一人残っていた叔父が亡くなった。
時計が失せた。
まとめ仕事が片付かぬ。
参照したい本が隠れてしまった。
いつからか。
久しぶりの休日。ようやく得られた休日、寝具を外気にあて、つみあがっていたものを畳み、あるいは洗濯に回し、箒と掃除機をつかって床の埃をとった。新しく求めた書籍を書棚に作業ごとに分けて納める。
椅子の上に時計が発見された。上に積み重ねた衣類が隠していたものらしい。
昨年の仕事のものを入れていたファイルボックスから探してい...
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2012/01/14 16:20 |
冬の夜の飲み物
目が覚めると窓がほのかに白んでいる。暗い灯りをつけて時計を探るとまだ午前2時。2011年のライブコンサートを流していて、長い坂の絵のフレームを聞いたらすっかり目が覚めてしまった。昨夜のナイトキャップが効いたのか、効かなかったのか。
地中海のレモンの酒、20度程度。沖縄シークワーサーの絞り汁、ウィスキー、生姜蜂蜜、梅酒、適当に合わせて湯で割る。
あるいは、手元に飲み残しの赤ワインがあれば、そして適当なハーブティがあれば、生姜も丁子も加えて加熱。ノエルの市のヴァン・ショのように。うっかりす...
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2011/12/24 04:14 |
ベルリンの空の下なお鐘鳴り響き
1年4ヶ月。
それは、この前の欧州滞在からの経過。
2年10ヶ月。
こちらはこの前のベルリン滞在からの経過。
同じ学校の訪問。
同じ動物園駅近くの、しかし駅をはさんで対称の位置にある宿。
仕事を終えて週末。
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2011/12/05 00:17 |
飛ぶ木立
週末、東へ。
会議、その他、四方山話。
打ち合わせ。
会議の司会。
シンポジウムの司会。
日曜日暗い中を列車に乗って移動。
隣の座席には原色のタイトルが踊る週刊誌を二冊抱えた巨漢が座る。
気にしない、気にしない。
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2011/11/29 20:50 |
フランス土産はCD 2011秋
11月初め、フランスのいつものところへ所要で出かけた家人がCDを土産に持ち帰った。そのほかウォーターマンの万年筆ともみの木の蜂蜜も。代わりに少し前の芸術新潮世阿弥特集版と堀田善衛の明月記を持ち出した。
CDはZAZIE。ZAZIE DANS LE METRO のZAZIE. 以前にこちらで紹介する番組があったという。しかし、記憶は曖昧である。手嶋葵、椎名林檎、ZAZIE ・・・wispered songs
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2011/11/20 14:39 |
「箪笥の中身」その後、あるいは百合子さんの注文服
「箪笥の中身」について
物はもう増やすまい。それが大方針だった。しかし、今年の冬をどのように過ごそう。昨年使った床暖房は少し控えようか。あれこれ考えるうち太目の糸でこしらえた長めのカーディガンを、暖かい室内履きを、と散歩や通勤のついでに持ち帰る物が増えてきた。量販メーカーが古い衣類をひきとります、と繰り返し流しているのがなるほどと思われる。今年営業不振かしらと同情するのも副燃料となる。ヨーロッパの百合子さんはどれほどの衣類を、鞄をもっていたのだろうか。服の仕立てを注文した話が出ていた。もちろん...
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2011/11/11 06:48 |
黒い月 La lune noir
1980年代初め、それは街をとりまく運河を越えたはずれにあった。あたりは様子が変わっていて、いまは川魚を咥えた狐を看板にした料理屋が、このあたりであったと記憶される。ある日、男の人は連れてきてはだめよ。そう言って案内されたカフェは、ある社会運動と関わっているものらしく、ちいさな集まりの案内などがいくつもピンで留めてあった。
同じアパートを借りている男の友人のぼろ車にアメリカからやってきた女の人二人と日本からの一人を詰め込んで案内してくれた大学院生は、ひそひそと、それぞれの地の社会制度と制約...
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2011/10/26 15:22 |
金木犀の香
震災から間もなく7ヶ月。
昨日、花の香に驚いた。明けて朝は肌寒い。
金木犀の開花は平年並み。しかし、昨年は一週間ほど遅かった。
桜が時ならぬ開花との報道あり。
台風の影響ではないかという。
そういえば、落葉が早い。
夏の暑さ、台風の来訪・・・・
開花時期とそれらがどのように関わっているのか、当方には不明。
地球の人口が70億を超えるという。
高齢化するわが国の人口構成を、どこかで変えようとする力が動いているだろうか。
60歳以上が放射能汚染食料の消費を引き受けるべきだという議...
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2011/10/01 19:32 |
No.15
昨日は台風が秋雨前線を刺激したとか。断続的に強い雨が降った。
道路に水が溢れ、川のようになった。11年前には途中で身動きのとれなくなった同僚は若い人とともに避難所となった学校で一夜を過ごした。水位の上がった市内の河川沿いを避けてはやめに帰宅。帰り着いて調べると鉄道もあちこちで運行を中止している。
持ち帰った重たい本を広げるが、雨を避けて締め切った部屋は暑く、まるで仕事にならない。
雨に濡れた身体は重い。
明けてのち、風に備えてベランダの鉢を移動する。940ヘクトパスカルが接近するとニュー...
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2011/09/21 22:29 |
中秋の名月
月並みに、あるいは人並みに、月見団子を求めに出かけると、売り切れ。
チリ産の白ワイン、ゲヴュルツの様子を聞くと、売り切れ。
行動が、月並みになってきたのかと疑う。
戻ってみると東の中空にすでに月はある。
旧暦の8月、秋は7月、8月、9月。8月の15日は秋のど真ん中。
しかし暑い。
昨日から続けて茶殻で箒をかけ、敷物を干し、床に雑巾がけをした。
ほうじ茶の香りが心地よい。しかし汗だくである。
ひとわたり終わったところでざくざくとたまった小銭を預金口座に片付けに出かける。
1円...
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2011/09/12 19:09 |
箪笥の中身
増えた衣類が重荷になる。
過不足ないぎりぎりまで切り詰めるとどのようになるのだろう。
谷川俊太郎は何処へ行くにもT-shirtでとおすと言っていた。
石黒智子は普段着をチャコールグレーと決めて冬は一枚のセーターを着つぶすと書いている。同じもののストックを用意して。外出着はグレー、ノースリーブワンピース。
アメリカ・モダンの暮らしぶり。同じスタイルでも毎年新しい。そして擦り切れたものは雑巾や靴磨きに姿を変えてゆくゆくは処分されていく。おそらくは大量生産がはじまった時代の生活スタイル。
同...
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2011/09/12 00:00 |
髪を切る
美容院とか床屋というところに出かけなくなって久しい。
髪は自分で切る。
なんとなく頭の辺りが煩くなってきたというころに。
洗面台を前にして、手指を櫛とものさしに、ごく普通のはさみで。
頭の頂を手始めに、持ち上げた髪を適当なところでばっさりと。
あとは、それに合わせて前へ、後ろへ、右へ、左へと。
多すぎる髪はふわりと持ち上げて、ざくざくと下から梳いていく。
最後に襟元と額のまわりから不規則に飛び出た髪を適当にそろえて終わり。
この間、約10分。
洗面ボールに落ちた髪を寄せ集めてゴ...
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2011/09/11 17:39 |
映画「ノルウェイの森」を観る
一回り遅れて上映する映画館で、「ノルウェイの森」を観た。
村上春樹の原作を、読んだことはない。
「海辺のカフカ」の文庫版を車中での時間つぶしに購入したことがある。
退屈して途中で放り出した。
映画はさすがに中途退出はできなかった。
しばらく思案して、これは「粗末な部屋で誘われて」という含意をもったタイトルなのだと了解した。誘われたこと、そして貧しい部屋まで出かけたことを語る。
その語り口にはヴァニティがある。中原中也がその日記のなかでたびたび咎めるように。
辺境への旅を語る、冒険家...
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2011/09/10 15:41 |
黄昏の町
こまごまとした事務仕事を終え混雑のピークが過ぎるのを待って職場を出た。
週末、横浜まで仕事で出かけていたので食料品のストックが補充できていない。
足を伸ばして有機栽培の食品を置いてくれている店に立ち寄った。
暗くなってから買い物をするのはまれなことである。オーガニックのバナナ2房、7−8本。牛乳2リットル、豆乳1リットル。野菜、豆腐、そのほかには・・・必要なものを頭の中で反芻していると、子どもの声がする。笑い声。3−4歳かと思われる女の子が二人、なにやらひらひらさせながら駆け抜けていく。「...
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2011/09/08 14:32 |
norwegian wood
Norweyを初めとした北欧産の木材として普及してきた松が、たとえばイギリスでは粗末な木の象徴であったことは、最近になって初めて知った。振り返ってみれば、表題の曲が世に出たのは1960年代半ば。極東の島国にも、若者向けの普及品としてパイン材の家具が送り込まれてくるようになっていた。欧州からのありがたい下され物と受け止めた人々は、そこに惨めさを読み取ろうとはしなかったけれど。
このタイトルを借りた、少し名の知れた小説は、「粗末な部屋で誘われて」と題するのがふさわしかったのではないかと思われる...
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2011/09/04 17:06 |
迷い道の先
年下の友人が打合せのために職場に来てくれる。
道に迷ったと電話がある。高速自動車道が繋がる空間。
そこから、反対方向に戻ってしまったらしい。
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2011/08/30 16:57 |
阿修羅逝く
母の最期の日々、佐野洋子がその母について書いたものを読んでいた。
葬儀のあと、草間弥生の特集番組を見、Louise Bourgeoisについて同僚と話した。
Georgia O'Keeffe、屋根を直すからと来訪を断る山陰の詩人、同僚から聞く鬼女の話が楽しい。
雪柳のように、荒れ狂う白髪。
肩怒らせ、眉を上げ、炎立つかのように。
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2011/07/25 20:57 |
土曜午後の贅沢
何も進まぬうちに1週間が過ぎる。
ありきたりの毎日こそが大切だというのであれば、確かにそうかもしれぬ。
この季節の仕事で毎日違ったところへ出かける。
同じ街の、しかし見知らぬ街区へ。
降りたことのない駅で降り、時間を見計らいながら歩く。
初めての人々と会い、話をし、手元から出かけていった若い人の様子を見る。
須賀敦子がその昔、「ソフィー」という短い文章に書いていたように。
まだ幼さの残る若い人が見知らぬ世界に入っていく。時に問題も起こす。
異国の地であれ、国内であれ、生まれ育った...
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2011/06/18 20:43 |
最後の食事
あのことがあってから、食事の度にこれが最後かもしれぬと思うようになった。
薄紙をはがすように、見えてくる事態。
しかし、それはことの発端となった、3ヶ月前のあの日からわかっていたようにも思う。
圧力容器の破損、そして格納容器の損傷。
冷却されているはずだった莫大な量の使用済み核燃料。
受容しがたい事態の進展。
海ばかりでなく地中にもれ出た核燃料がどのようになるか。
地下水脈は、そして地層の構造は。
今調べてみれば、かなり早い時期に、同じことを考えそれまでの地質調査をまとめたものが...
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2011/06/18 12:00 |
ゆるゆると過ぎ行く日々 (仕事のスタイル番外編)
家電品を買い換えた。
15年使った。
25年使った。
なだめなだめ使ってきたが、替えて見て不都合であったことに気づく。
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2011/06/08 18:00 |
走馬観花
仕事を終えて帰路、足を伸ばして河合寛次郎の回顧展を見る。
1890-1966
Avec ma collegue,
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2011/05/25 05:10 |
久しぶりの晩御飯
夕方そこそこの刻限に帰り着く。
豚肉の平切、朝とってのこしておいた出し汁、アスパラガス、新玉ねぎ、周りが乾いてきた人参・・・
買い置きの材料を思い描きながら、台所に立つ。
まず、出し汁を鍋に移して温め、半分を別の鍋にとり、そこに平切豚肉を入れて油抜きをする。
もうひとつの鍋に野菜を刻んで入れる。
人参、キャベツの小葉、玉葱・・・
豚肉を加え、黒藻塩を少々。
そこに、秘蔵の調味料を加え、溶き卵を廻して出来上がり。
秘蔵の調味料は遠方から餃子を運んできた業者がにんにく入りのラー油を披...
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2011/05/19 08:47 |
お茶の話
両親の生まれ育った半島は抹茶の消費量が際立って高いところだった。
母の生家には祖父の作った楽焼の茶碗があり、そのいくつかを母は貰い受けていた。
黒楽の小振りの筒茶碗、そして花びらのように飲み口が立ち上がった珍しい形の赤楽の茶碗。
それぞれに姉と妹が常用していた。
やはり祖父が作った茶杓を母は貰い受けていた。
海運で栄えたその昔の雅な暮らしぶりの名残が母の生家にはあり、しかし、祖父が早逝したその家にはすでに生気がなく、よどんでいた。
母の叔母の伴侶は東の内陸で退職後の手遊びにおびただし...
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2011/05/07 06:52 |
日々降り積むもの 日々舞い上がるもの
海の向こうの大陸で竜巻のニュース。
そして、こちらにも時ならぬ爆音。
雨が降る。
冷たい風が吹く。
雷鳴。
灰色の雨をひそかに気遣う。
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2011/04/25 16:34 |
覚書:ヨーグルトの1週間
日曜日、朝、耐熱ガラスポットのヨーグルトを器に空けて朝食に供す。
ポットにあたらしい牛乳を入れ、残ったヨーグルトを落とし、別の器に移す。
ポットは布巾を使って水洗いをし、最後は湯を通して乾かす。
琺瑯びきふたつき容器のヨーグルトをあらかたガラスポットに移す。
あたらしい牛乳を琺瑯びきの容器に入れ、残りのヨーグルトを落とし、先の器に移す。
琺瑯びきの容器は布巾を使って丁寧に洗い、乾かす。
日曜日午後、有機食品の店にて牛乳2リットル購入。...
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2011/04/22 06:43 |
1週間
日曜日 街を歩き回り、ノートパソコンの台になる小さな机かワゴンを探す。
端材で作った小卓を、目的に合わせて、同じものをランプの台にもうひとつ。
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2011/04/15 23:05 |
春の風にのって
にわかには現実と認めがたいことがおきる。
津波にさらわれた北日本東岸一帯。
そしてこの先どれだけの事態に発展するとも限定しがたい原子力発電所の制御不能性。
「天罰が下った」というある知事の発言が人々の顰蹙をかった。
命を落とした人々、家財を失った人々、核の恐怖におびえる人々のひとりひとりがどのような悪いことをしたのか、そして生き残った人々、ビルの上に乗って旗をひらめかす漁船をみておもしろがる若い人、避難した人々の留守宅から家財を掠め取っていく人々がいかなる善をなしとげたかという議論は、も...
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2011/04/01 02:22 |
対岸の津波
南の海を大きな地震が襲い、島々が津波の惨禍にあったとき、かの地に仕事で出入りしていた友人は写真展を催し、寄付を集めた。問題のころ、ヨーロッパへ飛び、かの地の新聞や雑誌でその報道を見た。
欧州の人々もクリスマスリゾートのさなかに被害にあったという。
The bodies その写真があちこちに掲げられていた。そして、遺体はほとんどそのまま飛行機で国許へ運ばれたようであった。
この地ではその姿が人目にさらされることはない。
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2011/03/16 08:16 |
遠景の火花
戦場のピアニスト 2002 Śmierć miasta 1946
火の山―山猿記 1998
夏の花 1945-1947
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2011/02/24 00:16 |
春の雪
ラジオがエジプトの大統領が辞任したことを伝える。
かの地について、その大統領のあるいはそれを戴いた政治がどのようなものであったか、じつは何もしらない。
15年前の夏、フランス滞在の折、語学講座に出席していたカイロから来たという留学生がいた。
オーディオ・ヴィジュエルの討論中心のクラスで、いつも積極的な発言をしていた。
欧州議会へ見学に出かけた折、そのあり方について、少し攻撃的とも見える質問を展開していたのに驚いた。
日本からやってきた少年が学生寮に住む彼女を訪ねた。
ヴェールをかけて...
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2011/02/12 06:42 |
雪ちらつく中贈り物を求めて
休日、時折雪の粉が飛ぶ。
晩秋の仕事のあとしまつを兼ねて若い人に贈り物をする。
数日間、あれこれと考える。
迷った末、長い間ご無沙汰していたデザインショップへ足を向ける。
錫でつくった蓋つきの筒を二つ。
簡単に決まってしまった。
あとは店主と四方山話。
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2011/02/10 05:51 |
寒中ありあけの月あかるく
暮れのうちに頚椎を痛めて治療に通い、一息ついたところはすでに正月も下旬にさしかかっている。
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2011/01/21 22:40 |
冬至の夜は
とるものもとりあえず、日々を暮らし、気づいてみれば冬至は間近。そして、太陽の暦では今年も余すところ2週間。冬至は太陽のめぐりでやってくる。月のめぐりでは今年の冬至は16日。月は太陽の沈んだ後まもなく昇り、冬至の遅い日の出の少し前に沈む。
この手に余る行事の運営に振り回されていた。100名弱の参加者による会議、60名弱のパーティ。なんのことはない、いつも、どこかでお世話になってきた。しかし参加するのと運営するのではまるで別世界の仕事である。短いあいさつ文を書き、後始末の一区切りをつける。
...
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2010/12/14 18:07 |
un jour soir
会議が二つ。二つ目では激しいやりとりがある。三々五々、解散して、暮れ方の闇に消える。
前日遅くまで仕事をして、また夜明けからその後始末。朝またのこりの仕事をして、まとめて箱に詰め送る。
送付の連絡を済ませると、あとは姿勢を維持するのもやっとである。
ひとつの流れの中で、それをせきとめようとしても、あるいはさかのぼろうとしても流れは一定の方向に進む。
そう野口氏は書く。
若い人の部屋を訪ねて、新しい仕事の相談。これはどのような流れの中にあるのか。
暗い廊下の奥に戻り、片づけをするが、そ...
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2010/11/06 15:52 |
one decade
デジタルメディアに保存したデータを取り出す。箱に入れる。
10年前の仕事は、記憶のそこに沈んだままだ。
ブログを始めて6年。その前の掲示板でのやりとりが1年有余。
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2010/10/02 19:53 |
滅びていくものは
その一
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2010/09/20 10:19 |