母の毒 再掲

人は、その人生の始まりから、結局は最後までを折りたたんで予見するものであろうか。
始まりの組み立て方から、展開されてすべてが決まる。それは当たっているのかもしれない。


 2017年05月16日

母の毒
人間関係 母
 母は娘の、そして息子の存在自体を無条件に肯定してくれるものとして期待される。
 しかし、それが嵩じて、娘や息子に起きた出来事を、たとえば、その克服しがたい不幸を周囲の誰彼に過剰な責任を負わせることで整理し、そのことによって娘や息子を護るよう振る舞うとすると問題はもつれる。

 作品を応募したのに結果が届かない。おろおろする息子に、郵便配達が郵便物をすててしまったのだと目に見えない相手の悪意を描く。お前は悪くない。 
 長い間つきあって来て結婚するつもりであった相手が、突然ほかの人のパートナーになってしまった。先生が、上司が、監督してくれないからこんなことがおきる。お前は悪くない。
 
 子どもはその守りを当然のこととみなす。
 あるいは、その嘘に薄々気づきながらも、心地よく感じる。
 
 母の悔しさをそれとして理解できぬうちに、母を失う。
 自分自身が何者であるか、つかまえきれぬうちに人生が終わる。



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