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zoom RSS 父の庭のクレマチス

<<   作成日時 : 2016/04/26 17:49   >>

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 書店の店先に平積みにされた雑誌にクレマチス特集の文字が見えた。園芸放送のテキスト。
 鉄線という和名でなく、この外来種の名前とともに、生家では長く深い紫と繊細な蔓の植物を愛でていた。

 1950年代後半、父30代終わり、移り住んだ家には小さな庭があった。
 花や実のある植物をあれこれ寄せ植えた中に、父が友人から譲り受けた深い紫のクレマチスの蔓立ちの一株があった。
 坂道をくねくねと上って数分の丘の上に父の友人の数学者が住んでいて、様々な種類の薔薇、ギリシャ原産とかいうアカンサスなどを気前よく分けてくれていたらしい。
 クレマチスもその一つだった。
 のび放題の木々の影で鮮やかに咲くクレマチスを、家族は愛でた。

 大学教養部の英文講読でギッシングのBy the Ionian Seeに取り組んだ折、クレマチスの名前を発見したのはこのこども時代から10年ほどのちのことであった。父の友人が果たして地中海経由の株を分けてくれたのか、仔細は確かめてみることは無かった。

 この多年草の蔓草は後に父が家を建て替えたおり、どうやら滅びてしまったようだった。その後あれこれ調べてみたものの、栽培は難しく、結局断念してしまった。丘の上の薔薇屋敷の主人の消息もその後確かめること無く、父は身罷った。

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